REPLOG

レプログ

平井浩章Hiroaki

2025.06.04

kintoneサポート ユーザー様インタビュー vol.2 株式会社ユタカ様

業務改善の革命!手書き文化の現場が変わった。
kintone導入で可能性を広げる株式会社ユタカの挑戦

 

社内のあらゆる情報を共有でき、業務効率化や社内コミュニケーションを加速させる、業務改善プラットフォームkintone(キントーン)。レプタイルでは、kintone導入から活用まで伴走型でサポートさせていただいています。

香川県善通寺市に本社を構える株式会社ユタカも、その一社です。
「どうすれば現場の負担を減らし、より効率的に製造を進められるか?」という課題に対し、ユタカが選んだのは業務の内製化kintoneによるデジタル化。長年の手作業をデジタルにシフトし、現場が納得する改革を進めたその裏側には、何度も足を運んで伴走するレプタイルのサポートがありました。

今回は、取締役執行役員の森さまに、業務改善の取り組みの経緯や、kintone導入による変化についてお話を伺いました。

株式会社ユタカ 取締役執行役員/営業部課長 森さま

 

内製化が生む「品質」「価格」「納期」3本柱の強み

――まず、株式会社ユタカ様について教えていただけますか。

森さま:私たちユタカは「たおる本舗」「Tシャツ本舗」という2つのECサイトを運営しておりまして、個人のお客様から企業様まで、幅広いお客様にご注文をいただいています。

受注のほとんどはECサイト経由で、注文が入るとお客様とやり取りをしながら、希望するデザインを形にします。その後、営業部で指示書や受注明細書を作成し、それに基づいて版を作成、データ送信、印刷、縫製、梱包、出荷までの一連の流れを進めます。

デザイン、印刷、縫製、梱包、出荷まで、自社で一貫して行う

 

――昔はネットを使っていなかったと伺いました。

森さま:かつては代理店を通じた営業スタイルでしたが、2005年に代理店との取引を終了し、個人・法人問わずフラットな価格でオリジナルタオルやTシャツを提供するためにECサイトを立ち上げました。

――ユタカ様ならではの強みはどんなところでしょうか?

森さま:私たちの強みは「内製化」にあります。受注からデザイン、版の作成、印刷、縫製、梱包、出荷までを自社で一貫して行っています。分業制が主流のタオル業界では、縫製まで自社で行っている会社は珍しいんです。内製化することで品質管理が徹底でき、不具合が発生した場合でも迅速に改善対応が可能です。また、コストコントロールもしやすく、お客様に適正な価格で提供できます。さらに納期についても、注文から出荷までのリードタイムが短く、午前9時までの注文で当日出荷が可能です。

これら品質、価格、納期の3本柱を自社でコントロールできる、つまりお客様の希望に柔軟かつ迅速に応えられることが強みです。内製化によって、業務フロー全体の改善が容易であり、今回導入した業務改善システムkintoneの活用においても、その効果を十分に発揮できています。

ユタカの社内を表した手づくりの模型

 

コロナ禍で始動した「上流作戦」とは

――内製化をはじめ、他社にはない改革を積極的にされているとお聞きしましたが、「上流作戦」とはどのようなものですか?

森さま:コロナ禍で売上が大幅に落ち込んだときに、業務フローを見直す機会がありました。現場の社員から「タオルを印刷するときにしわがあると不良品になり、ロスが多い」という声が上がったんです。その意見を受けて、社長がすぐに動き、生地を伸ばすためのプレス機を導入しました。

――そのプレス機はどのように活用されているのでしょうか?

森さま:注文が入った段階で、生地をプレスしてしわを伸ばすようにしています。これにより、印刷時の確認作業が不要になり、現場の負担が大幅に軽減されました。また、不良品が減ったことでロス削減にもつながりました。

――「上流作戦」という名前がついた理由は?

森さま:問題が発生する「上流」の段階で解決策を講じることで、後工程でのトラブルや手間を減らすという考え方です。入荷時に生地を検品してプレスをかけることで、業務を改善、全体の効率が格段に上がりました。

「上流作戦」のうちのひとつとして、ホームページリニューアルや、kintoneも導入しました。今では複数部署で導入され、現場全体で効率化が進んでいます。

 

手書き文化の根付いた現場導入の課題

――ありがとうございます。今ではいろんな部署でkintoneを活用してくださっていますが、導入以前はどのような課題がありましたか?

森さま:そうですね。ユタカではコロナをきっかけにいろいろと改善や改革を進めるようになったのですが、それ以前は右肩上がりで売上が伸びていたこともあり、業務フローの見直しや改善はほとんど行われていませんでした。ただ、売上に対して利益率を見てみると低い部分もあったので「何とかしないといけないな」と感じていました。例えば、業務の負担軽減やロス削減といった点で改善が必要だったんです。

――具体的には、どのような課題があったのでしょうか?

森さま:まず、受注明細書が、以前はすべて手書きだったんです。10年以上前にExcelに移行しようとしたこともありましたが、営業社員から強い反発があったそうです。現場においても結局、手書きの方が速いと言われてしまって。特に現場は製造がメインなので、手書きに慣れている分、パソコンや新しいシステムに対して抵抗感が強かったのかなと思います。

その結果、手書きの日報を記入して、リーダーがそれを再度Excelに入力してまとめる、という二度手間のかかる作業が当たり前になっていました。僕も現場出身なので、「これ、すごく面倒だな、効率が悪いな」と感じていました。現場からも「手間がかかる」などの声も少し聞きながらも、ずっとこのやり方でやってきたからこれで良いのかなと思っていたんですね。

――そうした課題が、kintone導入のきっかけになったんですね。

森さま:最初は現場と経営陣の意思疎通をスムーズにするために、例えば注文が入ったらランプが点灯する仕組みを作れないか、という話がありました。そこから徐々に話が広がり、現場の業務効率化や手間削減のためにシステムを活用する方向へ進んでいきました。そこでホームページリニューアル時に導入していたkintoneを活用しよう、と。

ただ、当時はあまりkintoneでどこまでできるのかもよく分からず、導入時に現場が混乱するのではと懸念もあったり、最初は私も半信半疑でした。

ですが実際にkintoneのテスト画面を見せていただいて「あれ、これはめちゃくちゃシンプルだし使いやすい」と。現場のリーダーにも見てもらって。入力項目が本当シンプルで入力しやすいということだったので、これはイケるなと思って。こんなに簡単になるのかと体感できたので、導入を決めました。

 

 

作業時間短縮!社内の情報共有ツールとしても活躍するkintone

――kintoneを導入してみて、どのような変化がありましたか?

森さま:まず、作業時間が大幅に短縮されました。シルク印刷の部署では1日20分は確実に短縮できています。担当者が「1時間ぐらいかかっていたのに、秒で処理できるようになった」というほど。これを1年続けると大きいですよね。

以前は、大量の手書き書類をExcelに打ち直して処理していた受注明細書や日報などの業務が、パソコンやタブレットの画面に入力するだけになりました。集計作業では、データベースが一元化されたことで、Excelでフィルタをかけて電卓たたいて行っていたのが、入力するだけで自動集計されるようになって。自動集計されると分析もできるようになりますし。

バーコードで読み取り→パソコンで簡単入力→集計しデータの見える化までが素早くできる

 

――他にも業務において変化はありましたか?

森さま:そうですね。リアルタイムで生産状況が分かるところが、すごく助かっています。今までは、書類に手書きしたデータをパソコンに打ち直していたので、実際の生産状況から半日〜1日タイムラグが発生していたのですが、kintoneでは「現在の生産がどの部署にあるか」確認ができます。お客さんからデザインや枚数の変更依頼が入った際にはkintoneですぐ確認、印刷がこれからなら対応も可能など、判断が早くできますし部署間の連携もスムーズに。

今までそうした急ぎの確認は電話で行っていたのですが、現場では機械の音で電話が聞こえないんですね、だから走って見に行っていた。それがなくなったので、営業部としてもとても助かっています。管理側から見ても「どの機械が回っていないか」、「機械を遊ばせていないか」というのが一目瞭然で分かりますし、社内の情報共有ツールとしても、とても便利で役立っています。

あと、先日ミスが発生したときのことなんですけども。今までは、履歴となる手書きの書類をめくりながら原因を調べていたんですが、それがkintoneでは検索をかけるとすぐに「いつした」「誰がした」「箱は何だ」などの、加工状況が分かるようになって。詳しく聞いてみると、指示の順番と違う順番で作業しているなどルール化なされていなかったことが判明。

その原因がすごくスピーディーに分かった。こうした原因の追求や集計など、いろんなことが見えるようになって、分析や改善にもつながっています。本当に導入してよかったなと素直に思っています。

 

「こうしたい」を形に。現場の声に寄り添うレプタイルの伴走

――導入にあたって不安や課題はありませんでしたか?

森さま:実は、当初は現場での導入に不安もありました。最初は「会社がやるんだったらやります」といった認識の人間も正直いました。まずは既存のやり方と併用してkintoneもテスト運用していたのですが、使ってみると「自分たちでも使える、これいける」と思ったんでしょうね。説得するというよりも、実際に画面を見て、自分でテストをやってみて、簡単だと体感してもらうことが、一番の納得材料になるのだと思います。
本当に業務効率が格段に上がっているなという実感もあります。

――kintone導入に際して、レプタイルの伴走はいかがでしたか?

森さま:レプタイルさんが何回も足を運んでくださり、現場でヒアリングして真剣に向き合っていただいたおかげさまで導入し、上手に活用できています。

これまでホームページ制作でお世話になっていたのがきっかけでkintoneも導入に至りましたが、サポートがなかったら、僕自身もどう使っていこうか分からなかったので、kintoneを活用することなく終わっていたかもしれません。

私は以前、kintoneのセミナーに参加したこともありますが、日々の業務に追われて自分だけでは取り組むことができなかったんですね。でも、レプタイルさんが実際に足を運んで現場と対話しながら進めてくださったおかげで、現場も納得してくれて、改革・改善が実現しました。それは本当にレプタイルさんのおかげです。

現場にてkintoneの説明を行う、レプタイル株式会社 システムエンジニア平井

 

リモートだけでは、現場の状況や声を伝えきれず、不安も多くなりますが、対面でヒアリングしていただき「それならできますよ」という返事をその場でもらえると安心感が違いますし、「え、そんなことまでできるんですか?」と驚きもありました。

「できない」よりも「できる」という答えのほうが多かったので、kintoneの自由度の高さにも驚きましたが、それを形にしてくれるレプタイルさんの技術があったからこそだと思います。

――導入後の現場の反応はいかがでしたか?

森さま:実は導入前、あまり乗り気でない担当者もいました。でも、実際に使ってみると「これめちゃくちゃ計算も集計もしやすいですね」と言ってくれるようになって。電卓叩いて行っていた集計業務が、今ではkintoneで絞り込み操作をするだけで結果が出て「kintoneすごいですね」と感心されました。それを聞けたときは、僕もすごく嬉しくて、本当に導入してよかったなと思いました。

――現場が納得して使い始めることで、社内への浸透もしやすいですね。

森さま:そうなんです。段階を踏みながら、現場が納得して進めることで効率化の効果も実感してもらえましたし、それが結果的に良い方向につながったと思います。おかげで僕も褒められました(笑)

 

新工場でも広がる「可能性」——今後の展望

――今後、ユタカ様でkintoneをこんなふうに使っていきたいといった展望やビジョンを教えてください。

森さま:まず受注明細書や発送管理の業務については進めていきたいと思っています。それに加えて、経理関係の出金管理などにもkintoneを活用できるのではないかといった話も、社内であがっています。

さらに、パートナーズさんの日報をはじめとした業務管理での活用なども、どんどん広げていけるかなと考えています。kintoneにまとめておけば管理や集計がスムーズにできて、誰がどの情報にアクセスできるかの権限も管理できるので、そうしたところにも広げていければと思っています。

――現在、設立中の新工場でも活用できそうでしょうか?

森さま:そうですね。新たに建設される工場でも情報の管理が必要になります。新しい印刷機も導入予定ですが、その履歴の管理にもkintoneが活躍するはずです。従来の手書き管理から、kintoneで簡単に検索、過去のデータをすぐに引き出せるので、大きく効率化できると期待しています。
 

新工場外観と内観(準備中)

 

――最後に、森さんにとってkintoneとはどういう存在ですか?

森さま:「可能性」だと思っています。今後もいろんなことに活用できることを考えたら、kintoneは可能性かなと思いました。

 

■ 株式会社ユタカ
1943年に創業し、オリジナルタオル・Tシャツの製作、業務用タオルの製造卸販売、タオル類の輸入業、Web通信販売店「たおる本舗」「Tシャツ本舗 」の運営などを行う。
本社横にて「焼きたてパン工房 ゆたか 」の運営(パン及びピザの製造・販売)も行っている。
https://yutaka-print.co.jp/

■ 焼きたてパン工房 ゆたか
北海道産小麦100%・無添加生地にこだわり、職人が手作りする種類豊富なパンと、本格ナポリピッツァ、自社水耕栽培の野菜やいちごを使ったパンなどが楽しめます。ピッツァは開店すぐに売り切れもあるので予約がおすすめ。いろんな種類のパンを少しずつ楽しめる「はかり売り」も大人気です。落ち着いたイートインスペースやガーデンもあり、焼きたてをその場で楽しめます。
住所:香川県善通寺市下吉田町151
営業時間:11時~14時(ピザL.O13時30分)
電話:0877853536
定休日:毎日曜・月曜・火曜
https://yutaka-pan.com/

—————————————————————————

レプタイル株式会社では、kintone(キントーン)を使った業務改善のシステム構築や、kintoneの導入サポートができます。

システム構築(導入)の流れなどは、専用ページをご覧ください。
レプタイル株式会社のkintoneシステム開発について

TO TOP