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2016.04.18

つくらないクリエイティブ

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私は、業務を表す肩書きとして「クリエイティブ・ディレクター」と名乗らせていただいています。

でも「デザイナー」ならどんなことをする人かだいたいわかるけど、

「ディレクター」って何する人なの?

そう思われる方が多いかもしれませんね。

 

制作現場で「ディレクター」とは平たく言えば「現場監督」で、

これに守備範囲を表すことばをかぶせます。

例えばビジュアルを取りしきるなら「アート・ディレクター」

ウェブサイトなら「ウェブ・ディレクター」

私は欲張りになんでもやりたいので

「クリエイティブ・ディレクター」とさせていただいています。

 

現場監督ですから、主な仕事はプロジェクトの進行管理です。

デザイナーやコピーライター、HTMLコーダーやプログラマーなどの人たちが進める作業の進行や、

納期、コストそして品質などの管理をし、営業部門やクライアント様との中継をする。

それが主な仕事となります。

それだけ聞くといわゆる中間管理職的なイメージです。

しかし、例えば映画の世界では「◯◯監督作品」と題され、

その映画が面白そうかどうか判断するための材料のひとつ。

「ディレクター」の存在は、
プロジェクトの出来ばえを左右する要素にもなる、
そんな仕事です。

 

では「ディレクター」の何がプロジェクトの出来に影響を与えるのか。

それは「ディレクター」が、何を目的にそのプロジェクトがつくられるのかというコンセプトの形成から、

制作過程そして出来上がり、また納品後の効果の判断や維持管理まで一貫して関わり、

頭の先から尻尾まで、まっすぐ一本通った「背骨」を入れる役割を担っているからです。

 

またプロジェクトの制作過程で、様々な要素に面白みや説得力を持たせるための「演出」を施していきます。

これを全体イメージにあわせて統一感を持たせられるのも、「ディレクター」がプロジェクトの誕生から成長して独り立ちするまで、ずっと面倒を見ている立場であるからだと思います。

 

プロジェクトとは「ディレクター」にとって
手塩をかけた子供のようなもの。

 

でもこれは、モノをつくるお仕事をされているなら、みなさんお持ちの感覚かもしれませんね。

 

では「ディレクター」が良い「ディレクター」であるための資質とはなんでしょう。

たくさんあると思いますが、そのうち一つを挙げるとすれば

「真摯である」ことかもしれません。

 

多くの人と一緒につくるプロジェクトにおいて、

クリエイティブに対する価値基準は人それぞれ違いがあるのが当然です。

その中で何か良し悪しを判断する必要があった場合、

基準の明らかな指標を示しにくいクリエイティブでは、

その判断をした「ディレクター」の仕事へ対する「真摯さ」が、

それを聞く他のスタッフやクライアントの

安心感へと繋がるものだからです。

 

「ディレクター」になるために、必要な資格も免許もありません。

 

いわゆる手を挙げればなれる「自薦」の職業なのですが、

実際プロジェクトを良い方向へ導き、一つのモノとして世に生み出すためには、

それに関わる多くの人たちから「ディレクター」として認めてもらう必要のある

「他薦」の職業でもあるのだと思います。

 

この4月からレプタイルにも新しい制作スタッフが

2名加わってくれることになっています。

「ディレクター」である私としては、彼らに指導しなければならないのですが、

私もそのスタッフたちに「ディレクター」として認めてもらえるよう、

クリエイティブに対して、より「真摯」に努めます。

 

もちろんレプタイルらしく”面白くあること”も
大切にしていきたいと思っています。

 

 

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