いまはあまりないかなぁ。僕が子供の頃には、配置薬なる薬が詰まったプラスティック製の箱がどこの家庭にもありました。見たことありません?こういうの。

 頭痛薬や胃薬といった各種の薬が入ってるんですが、これ、買ってきて入れてるんじゃないんです。定期的に薬屋がやって来て、使った分だけ清算し、補充していくという特殊なシステムで成り立ってるんですね。(つまり、薬がずっと家にあっても、置いてるだけで買ってない状態)
このシステムを『先用後利』というのですが、江戸時代にこの方法で薬を売り、大成功したのが、広貫堂(こうかんどう)という富山県富山市の企業です。
 売れ筋No.1商品が反魂丹(はんこんたん)という腹痛に効く薬なんですが、これは広貫堂ができるずっと以前からあり、全国各地から購入依頼が殺到したそうです。
 ※地元ネタを入れておくと、富山が薬のまちになるきっかけを作ったのは、岡山藩の医師・万代常閑(まんだいじょうかん)。『越中売薬の祖』と言われています。
 (こういうちょっとしたネタ拾っていくので、よろしくどうぞ)
広貫堂は、反魂丹の効力と『先用後利』のサービス性、そしてお得意様には必ず何か手土産を持っていくというホスピタリティの三本柱で、全国各地から声が掛かるようになりました。
 道行く薬売りに「あんたどこから来たの?」と聞くと「富山からです」と答えるので、富山はくすりのまちという認識を皆が持つようになった、ということらしいです。
…はい。えーっとそうですね、以上になります。
 いやだってね、歴史博物館とかまちの歴史が分かりそうな公営の博物館が全部閉まってんすもん。広貫堂の資料館だけではこれが限界っす。
 工場見学らしき小学生と父兄の集団がいたから何食わぬ顔で紛れ込んだら入り口でバレて弾かれるし。
 仕方ないので、聳え立つ立山連峰でも見てこようと思って富山市役所の展望台に上がったんだけど、これっすわ。
 
 
 晴れてたらこうなるらしい。
 
 見たかったぁー!!
 超見たかったぁぁああぁーー!!!!
富山市も中核都市でデカいので、まちに入り込むきっかけを掴めぬまま移動の時間が来てしまいました。
 ほんとはたくさん見どころあるんだけどなー。ごめんなさい富山のひと…。
 一応、どうにかきっかけ探そうとまちを彷徨ったので、そのとき撮影した写真たちをご覧ください。
 
 富山ブラック。魚介スープで塩辛い。出汁にされた魚は喜んでるはず。
 
 まちなかに突如現れた巨大な神社。金の匂いがする。
 
 上の神社の境内にいた狛犬(?)。左から、努力・友情・勝利。
 
 仕舞えるゴミステーション。これ良くない?
 
 自転車共同利用システム『アヴィレ』
 名前と見た目に騙されてはいけません。装甲外すとただの軽快車です。
 
 ユーモア激戦区
 
 猫(きみ)が言うならもうしにゃい
以上です。
さて。この日7月4日の宿は
 富山ゲストハウス縁
 でした。
 古民家を改修した一軒家。入り口にはイカす暖簾がかかっています。
 
 この日はスタッフの紺谷さんとゲストの高橋さん、そして僕の3人でした。
 僕が宿に着いたときから紺谷さんと高橋さんが軽快なやりとりをしていたので、「この人は常連の人なんだな」と思ってたんですが、全然常連ではなく、今日が初めてでしかも僕が到着する30分前に来ただけのひとでした。
 ゲストハウス渡り歩いてるとたまに出るんですよ、コミュ力おばけ。
 榕菴珈琲で津山を宣伝しておきました。
 
 縁スタッフの紺谷さん
 (榕菴珈琲ね、付属の説明書きを読む限り、『日本で初めて一般人に飲まれたコーヒー』と言っていいと思うんですけど、どうなんでしょう偉い人)
 3人の年齢が10歳づつくらい離れていたので、「今後どういう人生にしたいか」というテーマで深夜まで話し、そのあとも教育関連で親と子供に夢を与えている高橋さんと教育の未来について話しました。
 次の日まじで眠かった…。
 なお、紺谷さんに赤なまこ石鹸と何かのトレードを申し出たのですが、
 紺「僕の肌がツルツルになったってしょうがないですよ」
 高「そうだね」
 武「言えてる」
 という納得の理由でトレード拒否されました。
という、4日目の富山。
 次は岐阜県高山市。明日は誰に会えるのか。楽しみです。
【たび雑記】
 ゲストハウスには(特に観光地にあるゲストには)外国人のゲストがたくさん来ます。わざわざ日本に来て旅してる人なんて絶対面白いひとに決まってるので、できるだけ話しかけるようにしています。いままで英語を喋りたいと思ったことがないので、中学で習った単語と文法を駆使するんですが、それだけで結構いけるもんなんですよこれが。
 広貫堂で紙風船を沢山もらったのですが、捨てるのもったいないので、出会った外国人に配りまくりました。
 紙風船の膨らませ方の説明は、「ここな、センターホール、いきフーフー」っていうあほみたいな言葉で伝わります。一緒に写真撮ろうというときでも「ユーアンドミー、ピクチャートゥギャザー、オッケー?」っていうこれもあほみたいな言葉ですが、伝わります。
 という発見をしましたので、お伝えしておきます。
 (そうは言っても、やはり深い話がしたいんですよね。尋ねることはなんとかできても、せっかく答えてくれたことが分からないですし。帰ったら英語勉強しよう…)















