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武川 和憲Take

2017.08.28

31のたび日記【26/31】湖のまち・山梨県山中湖村

支度を終えたら、早々に宿を出発し、池袋から品川へ向かいます。

…完全に忘れてたんですけど、ここは東京で今日平日なんですよね。8時に意気揚々と池袋駅に行ったら、あまりのひとの多さに打ちひしがれました。いわゆる通勤ラッシュというやつです。ホームにいくつも形成された長い列をかいくぐり、電車に乗り込もうとしたら、ドアが開いた瞬間、隙のない人の壁に絶望するというあれ。それでも老練なツワモノどもは頭からではなく尻から鉄壁の壁に体当たりし、攻城に成功するのですが、デカい荷物を持った素人丸出しの僕はすごすごと退散し、構内のロッテリアで朝ロッテを貪るほかありませんでした。

東京に住んでいたころは、毎日川崎から港区まで電車で通っていたのですが、「嫌だなぁ」とは思っても、今日のように絶望することはありませんでした。おそらく、感覚が麻痺していた、もとい、麻痺させていたのだと思います。絶望したところで、目の前の満員電車に乗って会社に行かないといけないことに変わりないから。
あれから2年後、超絶フリーダムな毎日を送っている旅人として東京に舞い戻ってくるとは夢にも思いませんでした。人生なにが起こるかわからんもんです。

さて。
この日は唯一の二人旅。連休を利用して地元・岡山県津山市から妻がやってきます。
品川で合流後、レンタカーを借りて一路富士山を目指します。
鎌倉で靴を奪われたことや東北で激雨にやられたことなどを話しているうちにあっという間に山梨入り。東京からたった2時間弱で到着したことにビビりました。車、めっちゃ便利やんけ。

ちょうどランチの時間だったので、あれを食べることにします。
山梨名物『ほうとう鍋』。
日本にはラーメン、うどん、そば、そうめん、パスタなど様々な麺類がありますが、キングオブ麺類はほうとうだと思っています。味噌と野菜を適度に摂取できるし、腹持ちもいい。そしてなにより、めっちゃ旨い。食べ物としての総合点が高いこいつがなぜいまだ全国区にならないのか、不思議でなりません。家の近くに店ができたら週2で通う自信があります。
夏の暑い日に、グツグツに煮立った鍋から直ですするのが最高。
高速の料金所でおっちゃんに教えてもらった『ほうとう不動』という店で食べたのですが、ほうとう専門店ゆえに、注文してから出てくるまでの時間がものすごく早い。なにせ調理場のコンロの数だけ常にほうとうを作り続けているから、注文のタイミングができあがる直前だと、こちらが食べる準備を整える前に出てくることすらあります。アツアツを提供することをポリシーとしているのか、煮えたぎるほうとう鍋を両手に持ったスタッフが厨房から走り出てくるという、体育会系の接客です。その甲斐あって、激熱のほうとうはめちゃくちゃおいしかったです。

続きまして。
真夏のほうとう摂取で急上昇した体温を冷ましたい方におすすめなのが、ここ『鳴沢氷穴』。富士山噴火の際に流れ出た溶岩で形成された巨大な穴です。
氷穴に入る前に、トレジャーハンターから「みなさん必ずヘルメット被ってくださいねー。洞窟の中には尖った岩がたくさんあるので、もし被らなかったら頭が切れて血が噴き出しますよー」という泣く子も黙る説明があります。どんなに髪型をキメていようと、必ずヘルメットを着用してください。
穴の外周を回るように、緩やかな階段をくだります。1m下るごとに、引くほど気温が下がります。まだ穴の外なのに、半袖半ズボン姿では震え上がるほど寒い。
ちなみに、氷穴に保管された氷は、
らしい。冬の間に、湖から切り出した氷をこの鳴沢氷穴に保管し、夏の時期に使用したということのようです。
穴の中はほんともうガチで寒くて、
撮る方も撮られる方もガクブルだったので、こんなことになります。
狭い通路の両側に積まれた氷の塊。いつの時代に運び込んだものなのでしょうか。
奥の青く光る部分はこんな感じ。
何かの力が授かれそうです。

さ、どんどん行きましょう。今日は写真を貼りまくります。
次に訪れたのはここ、『なるさわ富士山博物館』。”富士山の真実がわかる博物館”と謳っているのですが、正直、富士山の真実など何一つわかりません。1Fは完全に水晶とかの怪しげな石売り場だし、地下には富士山に飲み込まれる寸前のティラノサウルス(めっちゃ鳴くし結構動く)がいたりする謎施設です。

しばらくティラノと戯れました。こういうワンダーランドな施設、大好きです。(以前は有料だったのか、入り口には自動改札がありました。券を入れるところに貼ってある『入館無料』と書かれた紙が、なんとも哀愁をそそります)

 

こんな感じで遊んでいたらいつの間にやら夕方に。ぼちぼち宿に向かいます。
本日の宿は
ホトリニテ
先に言っておきますが、ここ、最っっっ高です。各メディアでゲストハウスとして紹介されているのでゲストハウスには違いないんですけど、僕の感覚ではゲストハウスの域を超えています。
オーナーの宿へのこだわりや愛情が、何気なく置いてある小物にまで現れてるし、空間の作りこみ具合、掃除の行き届き具合などを見ると、ご夫婦と小さい息子さんの3人だけで回しているとは思えない。挙げ始めたらきりがないくらいのおもてなしがそこら中にあり、何度「おお!すごい!」と言ったかわからないくらい、すごいを連発していました。RPGで宝箱を見つけるような感覚です。
館内の写真を取りまっくたので、抜粋してご紹介します。
夕方の共有スペース
夜の共有スペース
縁側からは山中湖が見える。
外観
目印の看板

館内を見て回ったあと、オーナーさんに「ここめちゃくちゃいいですね」というと、「ありがとうございます。古い建物なので不便があるとは思いますが…」と。
ファンだよ。もうここのファンだよおれは。絶対また来させてもらうよ。

上がりっぱなしのテンションのまま、オーナーさんに教えてもらったおすすめの店で鱒ずしをほおばり、
おぼろ豆腐や
旬野菜の天ぷらを食らい、
地酒を飲んで、
宿に戻って温泉に入って、もうほんと、最高の1日を過ごしました。

まだ早い時間だったので、『未来郵便局』に手紙を預けることにしました。
ホトリニテさんが行なっている、手紙を書いてポストに入れると1年後に届けてくれるという粋な企画。
お互いに宛てた手紙を書き、
ポストに投函します。
普通ならこういうことはしないのですが、宿の雰囲気に飲まれてしまいました。(といいつつ、1年後が楽しみだったりする)

という感じの山中湖編。明日は甲府…の前に、どうしても行っておきたかったあの場所に行きます。

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